住宅ローンは「固定」?それとも「変動」? 私が変動金利を選ぶ理由。

ここ数年で住宅ローンの金利は大きく変わりました。
数年前には0.3%前後だった変動金利も、今では1%を超える金融機関が増えています。
そのため、お客様からも、
「固定と変動、どちらを選べばいいですか?」
というご相談をいただく機会が本当に増えました。
私は工務店の社長ですが、この質問に「これが正解です」とお答えすることはできません。
ご家族の考え方やライフプランによって、最適な選択は変わるからです。
ただ、「私ならどうするか?」と聞かれたら、私は変動金利を選びます。
例えば、5,000万円を40年で借りた場合で比較してみます。
【変動金利 1.0%】
- 月々の返済:約12.6万円
- 総返済額:約6,070万円
【固定金利 2.5%】
- 月々の返済:約16.5万円
- 総返済額:約7,915万円
月々の差は約3万8,000円。
総返済額では、その差は約1,845万円になります。
固定金利を選ぶということは、「将来の金利上昇への安心」を得るために、この差額を支払うという考え方もできます。
もちろん、「これから金利はもっと上がるのでは?」という不安はあると思います。
実際に、金利が上昇していく可能性は十分あります。
しかし、大切なのは「どこまで上がるか」だけではなく、「その金利がどれくらいの期間続くか」です。
仮に変動金利が固定金利と同じ2.5%まで上昇したとしても、その状態が40年間ずっと続くとは考えにくいのではないでしょうか。
一時的に固定金利を上回る時期があったとしても、その期間が短ければ、トータルの返済額では変動金利の方が少なく済む可能性があります。
だから私は、「今後金利が上がるから」という理由だけで、慌てて固定金利へ借り換える必要はないと考えています。
もう一つ、忘れてはいけないのがインフレです。
これからの日本は、物価が少しずつ上がっていく時代になると言われています。
物価が上がれば、お金の価値は少しずつ下がっていきます。
つまり、将来返済する5,000万円は、今の5,000万円よりも価値が小さくなっている可能性があります。
住宅ローンは、インフレに強い借入とも言われる理由がここにあります。
例えば、借入額や毎月の返済額は基本的に契約時の金額で固定されているため、物価や収入が上がっていけば、相対的に返済の負担は軽く感じられるようになります。
言い換えれば、時間が経つほど「実質的な借金の重さ」が小さくなっていくという特徴があるのです。
私が変動金利を選ぶ一番の理由は、毎月の差額を将来への資産に変えられることです。
固定との差額である約3万8,000円を、そのまま使ってしまうのではなく、貯蓄や資産形成に回します。
例えば、新NISAを活用して、全世界株式やS&P500などのインデックスファンドへ長期・積立・分散で投資する方法です。
もちろん投資に絶対はありませんし、元本保証でもありません。
それでも40年という長い時間で考えれば、資産形成を進めながら、万が一金利が上がったときの返済原資を準備しておくことができます。
私たち工務店の仕事は、家を建てることだけではありません。
その家で、ご家族が安心して暮らし続けられることが何より大切です。
住宅ローンも、「固定か変動か」という二択ではなく、ご家族の価値観や将来設計に合わせて考えるべきものです。
私は、家計に余裕を持たせ、その余裕を貯蓄や資産形成に回しながら、将来の金利上昇にも備える。
それが、今の時代における合理的な選択ではないかと考えています。
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