「耐震等級3だから安心です」で、終わらせてはいけない

■令和8年熊本地震を受けて、マスターズが改めて考える「耐震」
2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とする大きな地震が発生しました。
最大震度は7。
ニュースやSNSを通じて現地の状況を目にし、住宅をつくる仕事に携わる者として、改めて「家が家族を守るということ」について考えさせられました。
まず、このたびの地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
そして一日も早く、安心できる日常が戻ることを願っています。
■「自分たちが建てた家で、本当に家族を守れるのか」
住宅会社として、地震のたびに考えることがあります。
それは、
「自分たちが建てた家で、本当に家族を守れるのか。」
ということです。
私たちは日頃から、お客様に
「耐震等級3です」
「構造計算をしています」
という説明をしています。
もちろん、これは非常に大切なことです。
マスターズでも、構造計算を行ったうえで耐震等級3を確保することを、家づくりの大前提としています。
でも、今回の熊本の地震を見ながら、改めて思いました。
耐震等級3という数字を取ることが、私たちの目的ではない。
その家に暮らすご家族を守ること。
そして、大きな地震が起きた「そのあと」の暮らしまで守ること。
そこまで考えて、初めて私たちが目指す「耐震」になるのだと思います。
■耐震等級3でも、「絶対に壊れない」という意味ではない
耐震等級3は、住宅の耐震性能を考えるうえで非常に重要な基準です。
だからこそ、マスターズも採用しています。
一方で、誤解してはいけないことがあります。
「耐震等級3=大地震が来ても家がまったく傷まない」
という意味ではありません。
最近ではThreadsなどのSNSでも、「耐震等級3だったけれど大きく損傷した」「倒壊はしなかったものの、その後住み続けることが難しくなった」といった投稿を目にすることがあります。
もちろん、SNSだけでは、その住宅の構造計算の方法や施工状況、地盤、実際に受けた地震動などを確認できません。
ですから、個々の投稿だけを見て耐震等級3の性能を判断するべきではないと思っています。
ただ、それとは別に、私たち住宅会社が考えなければならないことはあります。
それは、
「倒れなかった。それだけで、本当に十分なのか?」
ということです。
■命を守る。その先の暮らしまで守りたい
地震に対して、まず何より優先されるべきなのは人の命です。
これは間違いありません。
でも、家族の暮らしは、地震がおさまった瞬間に終わるわけではありません。
地震の翌日も、その次の日も、生活は続きます。
倒壊はしなかった。
けれど構造体に大きなダメージが残っている。
余震が来るたびに不安になる。
大規模な修繕が必要になる。
場合によっては、住み慣れた家を離れなければならなくなる。
住宅会社として、そこまで想像して家をつくらなければならないと私は思っています。
だからマスターズが目指しているのは、
「地震で倒れない家」だけではありません。
「大きな地震のあとも、できる限り住み続けられる家」です。
■だから、耐震等級3に「制振」を加える
マスターズでは、
構造計算による耐震等級3
を基本としたうえで、
制振装置「EVOLTZ(エヴォルツ)」を標準採用しています。
なぜ、耐震等級3なのに制振装置まで必要なのか。
お客様からそう聞かれることがあります。
理由はシンプルです。
家を強くすることと、家に残るダメージを減らすことは、役割が異なるからです。
耐震は、柱や梁、耐力壁などによって建物を強くし、地震の力に「耐える」ためのもの。
それに対して制振は、建物に入ってきた地震のエネルギーを吸収し、建物の変形や損傷をできるだけ「抑える」ためのものです。
どちらか一方ではなく、この二つを組み合わせる。
それが、マスターズの考える地震への備えです。
■本当に怖いのは、「繰り返す揺れ」
2016年の熊本地震でも、非常に大きな揺れが繰り返し発生しました。
そして今回、2026年7月28日に熊本で再び最大震度7を観測する地震が発生しました。
地震は、
「一度、大きな揺れに耐えれば終わり」
とは限りません。
大きな揺れを受けるたび、住宅には力が加わります。
一度目の地震で倒壊しなかったとしても、構造にダメージが残れば、その後の余震に対する建物の状態は変わります。
だから私たちは、
一度の大地震に耐えられるかだけではなく、建物にどれだけダメージを残さないか
そこまで考える必要があると思っています。
それが、マスターズがEVOLTZを標準採用している大きな理由です。
■「耐震等級3だから大丈夫」とは、私は言いたくありません
家づくりをしていると、性能を数字で説明する場面がたくさんあります。
耐震等級3。
断熱等級。
UA値。
C値。
数字はとても大切です。
客観的に住宅の性能を比較するためには、なくてはならないものです。
でも、数字を取得すること自体が目的になってはいけないと思っています。
今回の熊本地震を見て、私は改めてそう感じました。
自然災害を相手に、
「この家なら絶対に大丈夫です」
と言い切ることは、私にはできません。
これから先、どこで、どれほどの地震が起きるのか。
それを完全に予測できることはできません。
だからこそ住宅会社にできることは、
今考えられる備えを、一つひとつ積み重ねること。
だと思っています。
きちんと構造計算をする。
耐震等級3を確保する。
設計通りの性能が出るよう、施工品質を守る。
そして制振装置によって、地震のエネルギーを吸収し、家に残るダメージをできる限り小さくする。
「どれか一つをやっているから安心」ではなく、
できることを重ねて、家族を守れる可能性を少しでも高めていく。
それが家をつくる側の責任だと思っています。
■地震のあとに、「この家でよかった」と思ってもらいたい
今回の熊本地震を受けて、改めて考えました。
マスターズがつくる家は、何のために性能を高めているのか。
答えは、やはり同じです。
家族が幸せに暮らし続けるためです。
大きな地震が起きたとき、まず家族の命を守る。
そして揺れがおさまったあと、家族みんなが無事で、自分たちの家を見渡して、
「この家を建ててよかった」
と思ってもらいたい。
できることなら避難所ではなく、住み慣れた自分の家で眠ってほしい。
子どもたちにも、いつもの部屋で過ごしてほしい。
そして少しずつ、いつもの暮らしに戻っていってほしい。
そこまで含めて、私は「耐震性能」だと思っています。
■マスターズが目指すのは、「地震のあとも暮らしを守れる家」
だからマスターズは、
構造計算による耐震等級3+制振装置EVOLTZ
を標準にしています。
耐震等級3を取得することが目的ではありません。
EVOLTZを付けることが目的でもありません。
その先にいる、
大切なご家族と、その暮らしを守るためです。
家は、建てた日がゴールではありません。
10年、20年、30年。
その先もずっと、家族の暮らしを支える場所です。
だから私たちはこれからも、
「地震に耐える家」ではなく、
「地震のあとも家族の暮らしを守れる家」
を目指していきます。
今回の熊本地震を受けて、住宅会社として、その責任を改めて強く感じています。
舟橋
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